ノルマで特許出願するな!

多くのアイデアを生み出す

開発も順調、製品化まであとすこし。
そんな時に、近々開催される特許出願のためのアイデア会議を思いだし、
エンジニアの皆さんは、気持ちが滅入ってしまった経験はありませんか?

そうなんです。
特許出願を事業戦略の柱にしている企業のほとんどが、期毎に、特許出願の目標数を決めているのです。
このため、期の終わりに近づくと、特許出願のノルマが皆さんの頭をよぎるのです。

私もエンジニアとしてメーカ勤務時に、
アイデア会議で、特許出願の内容をまとめなければいけない、
と感じながら開発とは違う頭を使って特許のアイデア出しをしていました。
このため、皆さんの特許出願に対する嫌な気持ちがよくわかります。

そこで、今回は、そんな「ノルマで出願するのは面倒!」という気持ちにならず、簡単に特許のアイデアを出せて、良い特許出願が可能になる方法をお伝えします。

開発マインドのままで、アイデア出しをしよう

私もかつてそうでしたが、特許というと、アイデアがまとまっている必要があると思っしまうのです。
つまり、ある製品のある部分の斬新なアイデアを思いついたとしても、
そのある製品を構成するほかの部品がわからず、
製品としてまとめられないから特許にはできないかも?といったことを考えてしまうことがあるのです。

このため、一般に、エンジニアは、弁理士を含む知財担当者のヒアリングの直前やアイデア会議の直前に、アイデアをまとめようと、急遽、いろいろな知識をばたばたと調べてしまうのです。

でも、そんな知識は、皆さんもご存じのように、単なる付け焼刃であり、一般に知られた技術内容なんですね。
知財担当者は、そんな知識を披露してもらうことをエンジニアに望んでいません。

必要なのは、あなたが今の開発の中で一番集中している開発項目だったり、
その開発項目に集中できている理由だったりするのです。
だから、あなたは、それらをそのままの形で表現すればいいのです。

仮に、それがアイデアとしてまとまりがなくても、
今気なること、問題になることをできるだけ出してみるように心がけてください。

そして、そこから、気になる理由や問題になる理由を、「なぜ」を繰り返すことで、突き止めるようにしてください。
その際には、あくまでも、自分の開発につなげよう、という観点で考えることで良いのです。

そうすることで、今行っている開発に必ず役に立つ新たなアイデアや技術に繋がり、
結果的に開発の加速、製品化の促進になると思います。

今頭にある課題や苦労した点で考えよう

特許は技術的思想と言われています。
即ち、特許出願して権利化される内容は、比較的抽象的な内容にすることが可能です。
だからといって、具体的な事例に基づいてアイデアを考えてはいけない、わけではありません

逆に、なるべく、具体的な例を列挙してアイデア出しをするようにしてみてください。
その際には、技術的かどうかを抜きにして、課題や苦労した点をなるべく多く上げてみてください。

上げられた課題や苦労した点は、結果的に、特許のアイデアとならずに、整理整頓の問題だったり、
開発メンバーのコミュニケーションの問題だったりに帰結することもあります。

また、開発に関連するアイデアであっても、特許にならないような単なる技術の改善項目であったり、
ノウハウとして外部に公開すべきでない内容であったりする場合もあります。

なんだ、特許のネタになるアイデアがあまりでないな、と思うかもしれません。

しかし、考えてください。
特許の目的は、開発製品の差別化であり、究極的には自社の収益力の拡大が目的なのです。
だから、特許のアイデアを考える際に、人間関係や職場環境の改善などのアイデアも同時に提案できることは、企業にとっても喜ばしいことなのです。

そして、自分の頭に制限をかけるよりも、その制限を外して考えるほうが、いいアイデアがでることにもつながり易いのです。
これが重要なのです。
是非、いいアイデアを出すためにも、特許出願となるアイデアだけ考えようと自分の頭の働きを制限することがないように、してみてください。

まとめは特許担当者にまかせよう

任せる

エンジニアが自分の実際の立場で考えると、どうしても具体的になり過ぎたりします。
そして、例えば、ノウハウ部分までを特許出願書類に開示しがちです。

でも気にしないでください。
その部分の調整は、是非弁理士を含めた知財担当者に任せるようにしてください。

もちろん、出したいくないノウハウ部分は、当然に出さなくてよいし、それを知財担当者にちゃんと伝えるようにしてください。
ノウハウの部分であるかいなかが判断できるのは、知財担当者ではなく、あくまでもエンジニア自身だからです。

ただし、一つだけ気をつけてもらいたいことがあります。
それは、特許権として取りたい内容は必ず過不足なく開示する必要があることです。

特許権は、独占的に実施できる権利を与える代わりに、その権利の内容を開示することを義務づけています。

このため、自分ではノウハウと思っていても、特許を構成するのに不可欠な内容である場合には、
必ず記載をしなければいけないのです。

特許出願の目的は、特許権を得ることが大半を占めます。
どのような権利を取りたいのか、その際に開示できる情報はどこまでなのかを、知財担当者と議論をして、それらの整合を取るようにしてください。

そして、迷ったりわからないことがあれば、
ぜひ知財担当者の知恵を借りるようにしてください。

知財担当者は、自分の所属する事業部とは異なるかもしれませんが、
エンジニアの開発を支援しようとしている同じチームの仲間です(勿論、担当する弁理士も同じ気持ちですよ(笑))。
だから、皆さんは、特に特許出願の書類のまとめや特許権の取得については、知財担当者に任せるようにして下さい。
そして、間違っても、知財担当者を敵とはみなさないでください。
知財担当者は、皆さんにとって、強力な支援者なのですから。

まとめ

以上、次の項目について記載しました。

  • 開発マインドのままで、アイデアだしをしよう
  • 今頭にある課題や苦労した点で考えよう
  • まとめは知財担当者にまかせよう

現実においては、特許出願は、各エンジニアに何件出すべきかが割り当てられます。
しかし、それをノルマと考えて自分を苦しめるかどうかは自分の考え方次第です。
今度アイデア会議があったら、よし開発をもっと進められるチャンスだ、と考えてください。
そして、弁理士を含めた知財担当者をもっと巻き込んで、有意義なアイデア会議にしてください。
そうできるかできないかは、あなた次第なのです。

もし、わからない部分や疑問点などありましたら、ぜひコメントまたはお問い合わせください。

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